ここがおかしい司法試験の勉強法

旧司法試験と医師国家試験を同じ年に合格したメタボが、試験ものに共通する勉強法・方法論を提案します。
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 さて,法律系受験生のポイントとして強調した

 法学部の勉強と実務家になるための勉強

 =旧司法試験など資格試験の勉強を峻別する

 資格試験のための=実務のための勉強をする

という,一見,あまりに当たり前のポイントについての続きです。

 この

  法学部の勉強と実務家になるための勉強を峻別する

ということはどういうことでしょう。

 まず,

  ○○資格の○法の勉強は○○先生の基本書が必須だ

という受験生。

 少なくとも私が受験生のころは,当時流行とかもあり,皆が一斉に同じ先生の基本書を購入したりしていましたし,

  基本書を読まないで合格なんてあり得ない

ともいわれたものです。

 このよくある受験生同士のお話は,

  法学と実務としての法律の勉強を混同している

最たるものです。なぜなら,基本書の大半は,大学のお偉い先生が書かれているもので,その内容を読めば一目瞭然,実務向けではないからです。

 大学の先生は別に事件を解決する必要もないし,裁判所に立つこともないのです。

 特許申請をすることも,登記申請をすることもないでしょう。

 判例を考慮しないで,批判の上,自由に自説を展開しても,誰も文句は言いません。

 医療紛争・訴訟を専門とされる偉い学者先生だって,一度たりとも患者に触ったこともなければ,代理人として打ち合わせをしたことも,証人尋問をしたこともないでしょう。

 では,適切な勉強材料は何か,と考えますと,

  実務家になる資格試験をパスするための勉強

ですから,理想論からいえば,

  実務家が作った実務事例型問題集

があれば,これでしょう。いわば医師国家試験の事例問題集に相当するもので,

  こんな事件・依頼がありました。

  こんな具体的事情があります。

  どう解決しますか?どう依頼人に対応しますか?

という問題集があれば,これを繰り返し勉強するべきことになるでしょう。

 その前提として教科書を考えますと,おそらく現実的なのは,旧司法試験でいえば,裁判所の本屋や,弁護士会の書店においてある司法研修所の教科書や,弁護士会などが作成しているマニュアル系がいいことになるでしょうね。

 要は,最低条件として,実務家が書いていることが必須です。

 法曹でいえば,要件事実マニュアル,とかでしょう(今もあるのでしょうか?)。

 ここまでで気づくと思いますが,そう,少なくも旧司法試験に限っていえば(おそらく他の資格関係も),

 実務のための自習に適切な教科書や

 問題集は実質ほとんどない

 (特に初心者用のもの,普通の書店で入手可能なもの)

のです。だからこそ,私は

 予備校ないしは試験対策を銘打ってある

 教科書や問題集を使用して勉強すべきだ

と申し上げていたところです。

 ここで,私は別に予備校がよい,ベストだというわけでは決してありません。

 次善の策,現状ではやむを得ず,効率的な勉強のために,予備校を利用せざるを得ないのです(予備校の講師がすべてよい実務家だとは私も決して思いませんが,少なくとも,授業を担当している資格試験は合格しているはずです)。 

 それ以外の基本書などを利用した勉強法(もちろん,辞書的な利用はよい)は,異様に効率が悪いか,そもそも勉強の方向性が違うので,それだったら,はじめから予備校教科書を使っていた方がよいと考えているのです。

 ちなみに,同じ事例を扱っている問題集などでも,実務家ではない大学のお偉い先生が作成されている事例型教科書,事例型問題集なども,基本的には,法律系資格の勉強には効率が悪いことは同じです。

 私は,国際私法は大学教授の基本書と問題集,他の科目は一部の有名な教科書を購入して部分的に読みましたが,結局,視点が全く違うと断言できます。

 私ごときが偉そうなことをいって恐縮ですが,やはり具体的な事案解決・事案処理を目的としているか,適切な法解釈・立法論・学説の整合性などをメインに説明しているかは大きな違いとして感じられるところです。

 これは,たとえば医者でいえば,神経内科や脳外科の教科書や症例集などを,神経解剖学や神経生理学の先生方が書いているか,といえば絶対に書いていないわけです。

 もちろん,神経内科や脳外科でもこれらの領域の知識は必要ですが,それはあくまでも臨床で必要な範囲・重み付けがあるわけで,それは,やはり臨床現場の医者=実務を経験している人が教科書を書き,学生を教えるのです。

あなたは,医者としての臨床経験が全くない人が,

臨床医を育てられると思いますか?

あなたは,法曹として働いたことがない人が,

法曹を育てられると思いますか?

あなたは,自分の目指す資格の受験経験のない人が,

その資格試験にあった教科書を書けると思いますか?

 関係ないですが,最近,新司法受験生のブログなどを拝見すると,

  この基本書がいい,この基本書を使うべき

などの記事が意外とあり,しかも紹介されているのが実務家のではなくて,だいたい大学教授のものなので,少し驚いている次第です。

 よっぽど実務のよい教科書があって,実務への授業・指導がよくされていて,時間的余裕があるのでしょうか?

 私が司法修習生時代は,白表紙(白拍子)(修習所の教科書)をマスターするのに精一杯でしたが。まあ,これは私の脳みその容量の問題かもしれませんけど。

だらだら続く。

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この記事へのコメント
納得の記事なんですが、新司法試験に関しては、予備校もまだ十分に問題を作れてないのかもしれません。答練以外、市販のものもあまり在りません。また、研究者が作った事例型問題集(多少は新司っぽい長文の問題文で、論点も一応網羅されているとされるもの)を法科大学院の授業で使うことも多いでしょう。基本書のどれがいいかという議論は無駄でしょうが、学期中予復習を重ねた教材なら、「使って良かった」と言ってもやむをえない面があるのではないかと。
実務家が作った実務事例型問題集は、要件事実関係以外だと、たとえば法曹会の説題解説や説題解説や例題解説あたりでしょうか。なかなかないですよね。
2010/02/05(金) 14:21 | URL | 単なる閲覧者 #-[ 編集]
丁寧なコメント,ありがとうございます。

> 納得の記事なんですが、新司法試験に関しては、予備校もまだ十分に問題を作れてないのかもしれません。答練以外、市販のものもあまり在りません。また、研究者が作った事例型問題集(多少は新司っぽい長文の問題文で、論点も一応網羅されているとされるもの)を法科大学院の授業で使うことも多いでしょう。基本書のどれがいいかという議論は無駄でしょうが、学期中予復習を重ねた教材なら、「使って良かった」と言ってもやむをえない面があるのではないかと。

おっしゃるとおりかと思います。
私は,新司法試験およびロースクールを体験しておりませんので,新司法試験に関する部分はあくまでも推測/憶測でございます(ブログの性質上,お手つき的表現はお許しください)。
なるべく,旧司法試験,と明示するようにいたしますが,基本的にこのブログは新司法試験うんぬんはいえないと思っております。

> 実務家が作った実務事例型問題集は、要件事実関係以外だと、たとえば法曹会の説題解説や説題解説や例題解説あたりでしょうか。なかなかないですよね。

これまたおっしゃる通りです。
そのため,予備校に流れるのは「やむを得ず」そうなっているのだろう,と思っております。
2010/02/05(金) 14:29 | URL | Currypanguma #-[ 編集]
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